足裏から身体を安定させる。
畳の心地よさも味わえる新感覚草履「IXAZ」

プロジェクト名

足裏から身体を安定させる。畳の心地よさも味わえる新感覚草履「IXAZ」

事業者名

株式会社エス・ケイ・ワイ イノベーション

プロジェクト実施期間

2022年3月14日~4月28日

目標

100,000円

成果

449,460円(449%)

プロジェクト実施者について

株式会社エス・ケイ・ワイ イノベーション

代表者:
岩谷真吾
所在地:
神戸市中央区東川崎町1丁目8番4号
神戸市産業振興センター8階 8-2
事業概要:
スポーツ用品の販売やスポーツ関連商品の企画、開発、製造、販売
URL:
https://sky-innov.co.jp/(エス・ケイ・ワイ イノベーション)
https://japan-dsa.or.jp/(一般社団法人 日本動的安定協会)
問い合わせ先:
TEL 078-361-3355(担当:岩谷)

エス・ケイ・ワイ イノベーション

エス・ケイ・ワイ イノベーションのコンセプト

2018年設立。25年間のスポーツ業界経験を生かして、スポーツ用品の販売やスポーツ関連商品の企画から販売を手がける他、スタッフのユニフォームやチームウェアなどのオリジナル商品づくりをサポートしている。
スポーツを通して学んだこと、培ってきたネットワーク(仲間)を大切に新しい考え方(+α)を発想し、新たな価値を生み出して健やかで豊かな人生づくりをお手伝いできる企業を目指す。

新感覚草履「IXAZ」

今後の新商品展開につながる自社のブランドイメージを確立する

足本来の機能を引き出す草履をベテラン整体師と共同開発

起業前から国内のスポーツ関連メーカーと幅広く交流しており、この人的ネットワークを活かした商品企画や開発が、エス・ケイ・ワイ イノベーションの強みである。当社では創業以来、子どもたちの健康増進や運動能力の発達に役立てる新商品を開発したいと思いを強く持っていた。

そんな時、当社代表の岩谷氏が、シューズメーカーから動的安定理論に基づく履物の開発について相談を受けた。聞きなれない理論であったが、提唱者であるキャリア30年の柔道整復師・金田整骨院院長の金田英貴先生に詳しく話を伺った。「動的安定理論」とは、身体を動かして平衡を保とうとする考え方である。平衡を保つには安静にしてバランスをとるのが常識と思いがちだが、動的安定理論では、まったく異なる発想であり、スポーツ業界で25年間の経験を持つ岩谷氏にとっても目から鱗が落ちる出会いであった。

そこから金田先生と岩谷氏、そして相談を持ち掛けたシューズメーカーの大滝氏が連携した新商品開発が始まった。試行錯誤を重ねながら、日常生活の「歩く」動作の中で、姿勢を安定させ、身体のケアに結びつけることができる新感覚草履「IXAZ(いぐさず)」が誕生した。

エス・ケイ・ワイ イノベーションでの打合せ風景 IXAZを仕様した際の骨格イメージ

プロジェクトで苦労したこと

顧客像に合わせた使用シーンの提案

先にも書いた通り、当社では子どもの足育に貢献できる商品への思いが強かった。そこで、当初はIXAZも子ども向けの草履として開発しており、初期の試作品が完成した段階ではMakuakeのプロジェクトも子ども用草履として出品する計画であった。
新商品の魅力を消費者にどのように伝えるかミーティングを行う中で、ある疑問が生じた。それは、IXAZを履くのは子どもだが、子どもに買い与えるのは親だということ。親は、わが子の健やかな成長を願うからこそ、足育に良い履物を選択する。その際、「動的安定理論」という初めて聞く理論や、自分が履いたことのない構造の草履を安心して子供に履かせられるだろうか。
この疑問を解決するために選んだ方法は、世の中に送り出す最初のIXAZは、大人向け商品としてMakuakeに掲載することであった。これなら応援購入した本人が、その履き心地を確かめる事ができる。大人の使用者や口コミが増えてくれば、次のステップとして子ども用IXAZを発売したときには安心して購入できるだろう。
この目的であれば、Makuakeの情報拡散力を十分に活用したマーケティングができるはずである。一見、遠回りに見えるが、確実な選択として大人用IXAZのプロジェクトを立ち上げた。

大人向け商品としてIXAZの特徴を伝える方法も工夫した。動的安定理論の仕組みを詳しく解説するよりも、IXAZを履くことで、どんな悩みを解決できるかを冒頭で伝えた。そして、正しいバランスで歩くことで、日常生活の中で姿勢を整えるというIXAZのコンセプトを説明した。読者に「日常生活」における使用シーンをイメージしてもらえるよう、外出時の履物としてだけでなく、家事やオフィスワーク時の室内履きとしても提案した。

土踏まずの上にある戴距突起を意識。身体を安定させる。「歩く」という人間の本能を思い出させ、足本来の機能を発揮しやすくする。足を開放させて、より心地よく履く。畳の上の快適さ。

クラウドファンディングの成果

プロジェクト実施者の言葉

作り手の立場では、企画開発のきっかけになった「子供用の草履」という固定観念が拭えなかった。今回の兵庫県中央会の支援を受けてみて、第三者の新たな視点からアドバイスをもらえたことで多くの気づきがあった。当初の計画を大幅に変更することになったが、メインユーザーを大人に絞ることは、納得できる提案であった。また、「歩くという日常の動き」をイメージしてもらいやすいよう、オフィスワークや家事での使用シーンを取り入れたことも新しい切り口として共感できた。

エス・ケイ・ワイイノベーションの皆様

ものづくりを行う身として、自分が生み出す商品への思い入れを大事にしている。しかし時として強すぎる思いが「こうあるべき」と、お客さんに対する作り手側の押しつけにならないように気を付けている。
当社のミッションは、動的安定理論を取り入れた商品を通じてお客さんの健康寿命を伸ばすことだと考えている。今回のMakuakeでのプロジェクトは、最終的なミッションを達成するための1ステップである。これからも目指すゴールは変えず、そこにたどり着くまでの道すじは柔軟に対応していきたい。

今後に向けて

このたび、柔道整復師の先生方が中心になって一般社団法人 日本動的安定協会を設立した。協会では、主に学会や実証研究といった理論を深めるための活動を行う。当社は、新商品の企画開発や広告宣伝、販売を続けることで動的安定理論を普及させ、人々の健康寿命の伸長に貢献していく。今回開発したIXAZも、みんなで開発した新商品という意識を大切に、広告宣伝を担う当社の役割を果たすことで一人でも多くの人に知ってもらいたい。
今後、小規模事業者である当社単独では難しい取り組みも、協会やスポーツ関連メーカーとの信頼できるパートナーシップを原動力として事業を発展していきたい。
次は、子ども用IXAZの発売の他、サポーターソックスなど動的安定理論を取り入れた新商品開発にも取り組んでいく。

裸足でIXAZを履いた例 靴下でIXAZを履いた例

ページ制作を担当した合同会社あおに 代表
クリエイティブディレクター 堀川雄一氏から一言

載距突起(足の重心を支える)×足指(つかむ動き)と、
整骨院×エス・ケイ・ワイ イノベーションの関係性を軸にし、
動的安定理論を広げるための想いを考えました。

「動的安定理論」とは、身体を動かして平衡を保とうとする考え方で、金田整骨院の金田英貴先生が提唱されました。実行者である岩谷さんは、子どもの足育のために草履を販売してきましたが、動的安定理論の考えから「子どもの身体にあっていない」とダメ出しをいただいた。これらがIXAZ開発のはじまりです。 異業種と手を組み、新しい考えを商品に取り入れる商品開発の流れは珍しくない話であり、この新しい発想がIXAZにしかない強みでもありました。
しかし、新しい発想をページ上で伝えたくても今の世の中では厳しくなっているが現実です。例えば「動的安定理論」を軸にするには、効果効能のエビデンスを提出しなければなりません。エビデンスを用意するとなると準備期間が長くなり、プロジェクトにも影響してしまいます。
薬機法が厳しくなる中、中小企業が考える新しい発想を伝えるのは難しくなっています。そこをどうクリアするかが今回のプロジェクトで一番難しかったところでした。
そこで「動的安定理論」だけで軸をつくるのではなく、「人間本来の力」として軸を考え、指の力を使って歩く。また、歩くバランスを整える載距突起の考えを先に出しました。この2つを理解することにより、「動的安定理論」に繋がります。薬機法による表現の規制が多い中、自社の商品をどのように伝えるかは今後の継続的な課題になるかと思います。まずは、新しい考えを提唱するには一つひとつゆっくりではありますが広めていくのが効果的であり、Makuakeのような場で提唱するのも1つの方法だと感じました。

堀川雄一氏

載距突起(足の重心を支える)×足指(つかむ動き)と、整骨院×エス・ケイ・ワイ イノベーションの関係性を軸にし、動的安定理論を広げるための想いを考えました。

堀川雄一氏

「動的安定理論」とは、身体を動かして平衡を保とうとする考え方で、金田整骨院の金田英貴先生が提唱されました。実行者である岩谷さんは、子どもの足育のために草履を販売してきましたが、動的安定理論の考えから「子どもの身体にあっていない」とダメ出しをいただいた。これらがIXAZ開発のはじまりです。
異業種と手を組み、新しい考えを商品に取り入れる商品開発の流れは珍しくない話であり、この新しい発想がIXAZにしかない強みでもありました。
しかし、新しい発想をページ上で伝えたくても今の世の中では厳しくなっているが現実です。例えば「動的安定理論」を軸にするには、効果効能のエビデンスを提出しなければなりません。エビデンスを用意するとなると準備期間が長くなり、プロジェクトにも影響してしまいます。
薬機法が厳しくなる中、中小企業が考える新しい発想を伝えるのは難しくなっています。そこをどうクリアするかが今回のプロジェクトで一番難しかったところでした。
そこで「動的安定理論」だけで軸をつくるのではなく、「人間本来の力」として軸を考え、指の力を使って歩く。また、歩くバランスを整える載距突起の考えを先に出しました。この2つを理解することにより、「動的安定理論」に繋がるとなります。薬機法による表現の規制が多い中、自社の商品をどのように伝えるかは今後の継続的な課題になるかと思います。まずは、新しい考えを提唱するには一つひとつゆっくりではありますが広めていくのが効果的であり、Makuakeのような場で提唱するのも1つの方法だと感じました。